2021/12/16

Tooth Wear、NCCL(非う蝕性歯頸部歯質欠損)とは?


皆様、こんにちは!研究開発部Nです。


近年、う蝕、歯周病に次ぐ第三の歯科疾患として、Tooth wearが注目を集めています。


今回はTooth wearと、「NCCL(Non-carious Cervical Lesion:以下、NCCL)」の特徴、

NCCLの患者さんへの指導のポイントをお伝えします!


◆Tooth Wear とNCCL

 Tooth Wearは「非う蝕性の原因による歯質喪失」の総称です。

非う蝕性の歯質喪失を表す用語としては、「酸蝕」「摩耗」「咬耗」

「NCCL(非う蝕性歯頸部歯質欠損)」、[アブフラクション」、「楔状欠損」などがあります。 


 この中でも特に、近年知見が蓄積され、議論されているのが「NCCLです。

 NCCLは、「う蝕以外が原因の、歯頸部に発生するCEJ付近の病的な歯質の喪失」と定義づけられています。

また、NCCLは複数歯にわたる場合や1歯に限局した場合もある、健全歯だけでなく、充填やクラウンの周りに発生することもあるとされているなど、多様な臨床像を示しています*1


◆NCCLへの保健指導のポイント

 NCCLへの対応としては咬合調整が多いですが、これは大切な歯質を削ることに繋がってしまいます。

しかしNCCLの原因がブラッシングの場合は、歯科衛生士のTBIで歯質を削ることなく、

NCCLの進行を止めることができるとされています


 ブラッシングが原因の場合は、歯質欠損の角度とハブラシが当たる角度が

一致しているため、NCCLの部位、患者さんのみがき方、ブラッシング圧等、

まずは患者さんのブラッシング状況を確認してみましょう!

また、ブラッシングが原因のNCCLの患者さんへの指導の際には、

下記のようなポイントをお伝えしてみましょう。


歯磨剤の使用を控えるか、研磨剤無配合または低研磨性のものに変更するのがおすすめです。

NCCLは最初にみがき始める部位に、大きなストロークでみがくことで起こりやすいとされていますので、ハブラシが当たりにくい最後臼歯遠心面からみがくなど、みがく順番を提案し、小さなストロークでみがくよう指導してみましょう。


以上、Tooth wearとNCCL、患者さんへの指導のポイントをお伝えいたしました。

今後もTooth WearやNCCLは、新たな研究や知見が蓄積されることが予想されますので、

定期的に知識をアップデートしていきましょう!


参考文献

*1 the Quintessence.vol38(7):1398-1423, 2019.

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