2022/04/14

処置の流れ~カリエス処置~

皆さん、こんにちは!診療所歯科衛生士のQです。

今回は、カリエス処置の流れをご紹介いたします!


学生さんも、すでに働いていらっしゃる方も、カリエス処置を見る機会は多いですよね。

歯科医院によって、使用する器具や材料は異なるかもしれませんが、大まかな処置の流れは同じです。

そこで、今回はカリエス処置(その中でもコンポジットレジン修復)の流れと、それに伴うアシストワークを一緒に復習していきましょう♪

1.問診   

主訴の聞き取りや、体調の確認などを行います。

緊張して来院される方が多いので、表情や声のトーンに気を付けて話しましょう!

この時点で痛みなどの自覚症状がある場合や、レントゲン写真からカリエスによる透過像が神経に近いことを確認できる場合、浸潤麻酔の器具を先に準備することができます。

2.口腔内観察  

歯科医師だけでなく、アシストにつく歯科衛生士も部位の確認を行います。

この時に、レントゲン写真と視診から、何級窩洞の修復になるのか予測をしておきます。

そうすることで、隔壁装置器具(リテーナーやマトリックスなど)や咬合紙を先に用意しておくことができます。

3.患者説明   

歯科医師が説明している内容から、処置の流れを理解し準備を行うと、スムーズに処置を始められます。

このとき、患者さんが不安そうな表情をしていたら、「何かわからないことがあれば   何でも聞いてくださいね」などと声をかけてみると良いです♪

4.浸潤麻酔 

必要に応じて浸潤麻酔を行います。

麻酔薬は常温に戻しておくと、患者さんへの痛みが軽減できます。

注射時、麻酔薬が喉に流れると苦味を感じるので、可能な場合はバキュームを挿入します。

患者さんによっては全身に力が入っている方や、上手く鼻呼吸できていない方もいます。

「体の力を抜いて、鼻で深呼吸しましょう」といった声かけを行うと良いです。

5.窩洞形成 

カリエス除去ではタービンやコントラを使用するので、「お水が出ますね」「響く感じがありますよ」といった声かけを行うと良いです♪   

バキューム操作は、はじめは難しいですが、経験を積むことでスムーズに行えるようになります!

バキュームの挿入位置や、奥に溜まった水を吸引するタイミングが分からないときは、積極的に歯科医師とコミュニケーションを取りましょう。   

バキュームは吸引することだけが目的ではありません。術野の明視や、口唇・舌・頬粘膜の保護も意識しましょう。

6.防湿   

処置部位や唾液の量などによって、ラバーダム防湿もしくは、ロールワッテで簡易防湿を行います。

簡易防湿の場合、処置部位に唾液が混入しないように、こまめにバキュームを行いましょう。

7.歯面処理   

必要に応じて酸処理を行い、その後接着処理を行います。

プライマーやボンディングを塗布し、エアブローで均一にする時は、バキュームを挿入し飛散する処理材を吸引します。

8.コンポジットレジン充填   

窩洞にコンポジットレジン(フロータイプ)を充填するときに、シリンジの先についたレジンをふき取ります。

器具のふき取りでは、アルコール綿を使用しますが、レジンの場合は、アルコールでふき取ってしまうと重合を阻害してしまうので、ティッシュなどでふき取りましょう。   

光照射器を歯科医師に手渡すときは、他の器具同様に、処置部位に向くように渡しましょう。

9.形態修正・研磨   

再び、ハンドピースを使用するので患者さんへの声掛けを忘れずに行いましょう。

10.術後説明     

手鏡などで処置後の状態を患者さんに確認してもらいます。

カリエスが深かった場合は、帰宅後痛みが出る可能性があることを説明します。   

また、浸潤麻酔を行った場合は、麻酔の効果が切れるまでお食事を控えていただくように説明します。

以上がカリエス処置の流れです。   

歯科診療では、歯科医師と歯科衛生士や歯科助手のチームワークが必要となります。  

効率よくアシストを行うことで、チェアタイムの短縮につながり、患者さんの負担軽減になります。

日々のアシストワークの質を高めるために、基本的な流れは頭に入れておきましょう!

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