2023/06/23

薬局でできるオーラルフレイル対策②

オーラルフレイル編が早くも今回で最終回となります!


前回、オーラルフレイル対策には、2つのポイントがあるとお伝えしました。1つ目は噛める歯を残すこと。2つ目がお口の機能を保つことでしたね。

“噛める歯を残すための具体的な方法”については、前回のコラムでお話ししました。最終回では、“お口の機能を保つための具体的な方法“をテーマにしたいと思います。

  


「お口の機能」には、食べる・飲み込む・話すなどがありますが、これらを機能させるためには、歯だけが健康である状態では不十分です。唇や舌、口腔周囲筋がうまく連動することで、初めてお口は機能します。

ここでは、食べ物を口に入れてから飲み込むまでに大切な働きをする、唇・舌・喉の筋肉を鍛える体操をご紹介します。

  

それぞれの役割

「 唇 」食べこぼしを防ぐ

「 舌 」食べ物をまとめ、喉へ送る

「 喉 」食べ物を食道へ送る 


これらを鍛えるトレーニングが、パタカラ体操です。 


「パ」「タ」「カ」「ラ」と大きな声ではっきりと発声することで、それぞれの筋肉を意識的に動かし、鍛えることができます。

また、「パパパパパパパパパ……」と連続して発声することもトレーニングに効果的です。 

  

そして、「お口の機能」をうまく働かせるには、唾液によりお口の潤いが保たれている口腔環境もポイントです。唾液の分泌量は、病気や生活習慣、薬による副作用によって減少すると言われています。特に、来局される患者さんのうち多剤服用されている方は、そのリスクがより高まるため注意が必要ですね。

  

唾液分泌量減少の対策として、簡単にできる唾液腺マッサージを紹介します。

 唾液分泌量の多い3つの大唾液腺をやさしくマッサージして刺激することで、唾液の分泌を促します。お口の中が乾燥しているときや、食事前に行うのがおすすめです。 


お口の機能を鍛えるトレーニングは、他にも多数あります。興味のある方は調べてみてください♪ 

  


最後にこちらのグラフをご覧ください。一般の方のオーラルフレイルの実態に対する意識調査結果です。 

サンスター調べ 2022年12月 インターネット調査 50-79才男女 1036名

  

オーラルフレイルの症状が1つでもあてはまる人が 65.0%

オーラルフレイルのリスクチェックで危険性ありの人が 57.5%

という結果に対し、オーラルフレイルの説明を聞いて「予防や対策をしたい」と回答した方は64.5%です。オーラルフレイルのリスクを知れば、予防や対策をしたいと考える方も多いことがわかります。

  

ただ…1番右のグラフをご覧ください。

ご自身がオーラルフレイルだと自覚していた方は、18.1%しかいません。このように、実態と自覚には大きなギャップがあることがわかっています。

オーラルフレイルを知っていただくことと併せて、自分事化につながる工夫が必要です。サンスターでは、オーラルフレイルへの気付きを促すためのリーフレットもご用意しています。本サイトで、無料でダウンロードいただけるので、ぜひご活用ください。

 ★無料ダウンロードは こちら

  


薬局でこそ、様々な方へオーラルフレイルを周知いただける場だと考えています。このコラムを機に、 “お口を入口に全身の健康を考えるきっかけ”を皆さんからご提示いただけると幸いです。 

  


最終回まで欠かさずご覧いただき、ありがとうございました!

7月からの新たなシリーズコラムは、フッ素編を予定しています。こちらは全6回に分けて更新の予定ですので、来月以降も引き続きご覧いただけたら嬉しいです♪ 

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