皆さんこんにちは。
寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
先月のコラムは、歯周病の基礎知識をまとめました。
細菌感染症である歯周病ですが、全身疾患との関連について様々な文献などで目にしますよね。
今回は、歯周病(口腔内細菌)と関連のある代表的な疾患である、「糖尿病」とのつながりについてまとめていきます。
サンスター 「糖尿病を持つ方の口腔管理ポケットガイド(医療従事者向け簡易マニュアル)」より引用
こちらの図を見ていただくと分かる通り、歯周病と糖尿病は相互に関係があります。
歯周病の炎症により産生された炎症物質がインスリンの働きを阻害することで、
血糖のコントロールが上手く行えなくなり、糖尿病に影響を与えます。
また逆に、糖尿病により血糖値が高い状態が続くと、細菌などと戦う機能を持つ白血球の働きが弱まります。
糖尿病によって免疫力が下がることで、体が歯周病菌と戦う力が低下し、歯周病の状態を悪化させてしまいます。(※1)
他にも、口腔内細菌と関連のある全身疾患は多く存在しています。
例えば、2022年には、口腔内細菌が、歯周病やう蝕などの口腔内疾患だけではなく、他の臓器の感染にも影響を及ぼすことが解明され、論文も発表されました。
「今までは肺に感染症を起こすことは確固たる証拠がなかったが、姫路医療センターとサンスターとの共同研究(※2)で、口腔内細菌が肺膿瘍や膿胸といった、肺の感染症を起こす」ということが研究によって明確に示されました。
全身疾患をもつ患者さんが来局された際には、ぜひ歯周病など口腔内への影響についてもお伝えいただき、歯科受診勧奨をしていただきたいです!
来月の薬局コラムは、口腔内細菌にフォーカスを当て解説していきます🦠
次月もおたのしみに!
※1) 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020:歯周病と糖尿病の関係|歯周病と糖尿病
https://www.jda.or.jp/park/relation/periodontaldisease-diabetes_02.html
※2)姫路医療センター呼吸器内科 勝田倫子、サンスター(株)共同研究