糖尿病のある人の口腔機能管理- 糖尿病取組ガイド-4 -

歯周病による炎症を防ぐためのセルフケア

ハグキにやさしく徹底したプラークコントロールに加え、抗炎症作用のある歯磨剤や洗口液での炎症対策を

喪失しやすい奥⻭の⻭間のケアは、よく噛んでなんでも⾷べられるお⼝を保つために重要です。状態によっては薬剤も活⽤しながら、「炎症抑制」「ハグキにやさしく徹底したプラークコントロール」の継続を指導しましょう。

ハグキにやさしく徹底したプラークコントロールを指導するコツ

 ⽑先が柔らかく、清掃⼒の⾼いハブラシを使う

⼀般的に柔らかいハブラシは⽑先が狙ったポイントから逃げてしまい、効果的なブラッシングが出来ません。

【柔らかい⽑先】【しっかりした⽑腰】の両⽴が⼤切です。

 ハグキへのあたりが柔らかく、清掃⼒の⾼い⻭間清掃具を使う

⻭間ブラシにも⽑先のカットの形状によって、挿⼊時のハグキへのあたりが柔らかいものがあります。ハグキの状態が著しく悪い⽅には、柔らかいゴム素材の⻭間ブラシもオススメ。

 ⻭間清掃具で⻭間部の⻭の⾯をしっかり清掃する

フロスと⻭間ブラシを併⽤して、⻭間部(特にハグキ付近)をしっかり清掃することをすすめましょう。⻭間部の清掃が苦⼿な患者さんには、操作性の⾼い⻭間ブラシがオススメ。

 ⻭間ブラシ⽤ジェルを利⽤する

⻭間ブラシの挿⼊がスムーズになると同時に、爽快感があり清掃実感も得やすいので、⻭間清掃習慣の定着が期待できます。トラブルの多い箇所に直接届く薬剤の効果も期待できます。

【徹底した⼝腔ケア意識付けのための新習慣】として提案しましょう。

 ⻭磨剤・洗⼝液

抗炎症作⽤のある薬剤が⼊っているものがおすすめです。⻭科でメンテナンスした状態を⻑く保つため、⻑時間⻭⾯での効果がある殺菌剤や、プラークそのものを形成させにくい効果がある殺菌剤が配合されたものもおすすめです。

その他のセルフケア

⼝腔保湿剤、フッ化物の応⽤(含有⻭磨剤の使⽤、フッ化物洗⼝)⾼⾎糖や内服薬の影響による⼝腔乾燥が認められ、それに伴いう蝕罹患リスクが⾼まります。特に⾼齢者は根⾯う蝕の注意が必要です。

専⾨的知識・情報収集の場

糖尿病のある人のQOLを⽀える知識を得る場として、⽇本⻭科衛⽣⼠会が育成・認定する「糖尿病予防指導認定⻭科衛⽣⼠」や、「地域糖尿病療養指導⼠( ⻭科衛⽣⼠も認定対象となっている都道府県が増えている)」があります。